家路
サム・カラクルーの飼犬ラッシーはヨークシャのグリナル・ブリッジの誇りだった。毎日午後4時、ラッシーが若主人のジョーを迎えに学校へ走って行くのをみて町の人々は時計を合わせるほどだった。サムは借財と失業から、ある時ついにラッシーをルドリング侯爵に売り渡すことになった。その翌日、ラッシーは侯爵の犬小舎を逃げ出して、学校へジョーに逢いにやって来た。あまり逃亡が度重なるので、ジョーはラッシーを連れて侯爵邸を訪ね、その折侯爵の孫娘プリシラと知り合って仲良しになった。ラッシーの逃亡癖に業を煮やした侯爵は、ラッシーをスコットランドの別荘に送ってしまった。