上海キング
上海の遊郭で女中をして暮らす月桂は「背が高くて、胸もでかい、おまけに纏足もしていない」と店主の黛玉に疎ましく思われていた。あるとき、秘密結社・洪深得門のボスである常力雄に見初められ上海王の妻となる。ところが常力雄は同盟会の代表である黄佩玉と接触している最中に暗殺されてしまう。月桂は誰にも助けを求めることができず、女児を産んだ後、農村へと流れつく。
数年後、苦労を重ねた月桂は上海オペラ劇団を組織し上海に戻っていた。第二代上海王である黄佩玉の助力のもと、申曲の名女優筱月桂としてその名を知られるように。売れっ子となった月桂だが、どれほど忙しい日々を過ごしても、夫であり、娘の父であった常力雄の命を奪った敵を忘れることは一日としてなかった。自分が佩玉を愛していると気づいた月桂。それは佩玉が裏切り者と気づいたときでもあった。月桂は常爺の側近である余其揚と共に佩玉を排除し、余其揚は洪門初めての銀行家にして新「上海王」となるのであった。