ブレイク・ビーターズ
1985年、社会主義政権下の東ドイツ。18歳のフランクはある晩、西側のTV番組で紹介された“ブレイクダンス”に心を奪われ、翌日、アメリカ映画『ビート・ストリート』を観に映画館へ駆け込んだ。一気にブレイクダンスの虜となったフランクは、同じ地元のスポーツ協会に通う親友のアレックス、美人の女性体操選手マルティナ、同じく映画に影響されたミヒェルと共に、暇さえあれば路上でダンスを踊るようになる。多くの若者がブレイクダンスに熱狂する中、政府の娯楽芸術委員会はアメリカ生まれの非社会主義的なダンスを禁止しようと動き出す。フランクをはじめとする多くのダンサーが人民警察に逮捕されるのだが、それでもなお若者たちの勢いは止まらなかった。
そこで政府が掲げた政策は、ブレイクダンスを“社会主義化”し若者向けのプロパガンダとして利用することだった! フランク率いるダンスチーム「ブレイク・ビーターズ」は国家認定の芸術集団として人気を博していくのだが、その代償として自分たちの求める自由なダンスが踊れなくなるというジレンマを抱えるのだった…。