おじいちゃんの里帰り

ドイツに移住し、がむしゃらに働き続けて50年。70代となったイルマズ家の主フセインは、いまや孫もいる大家族のおじいちゃんとなった。一見平凡に見える家族だが、実はそれぞれに悩みが…。大学生の孫娘チャナンは内緒で付き合っている恋人との子を妊娠。孫息子で6才のチェンクは、父がトルコ人で母はドイツ人。「自分はどこの国の人なの？」とアイデンティティーの悩みに初めて直面していた。長男ヴェリと次男モハメドは、大人になった今でも仲が悪い。 そんなある日、フセインが突然「故郷トルコの村に皆で行こう！」と言い出す。これには家族の誰もが大反対。しかし、“里帰り”に寄せるおじいちゃんの強い想いに負けて渋々行くことに。それは、おじいちゃんにとって約半世紀ぶりの里帰りだった。