マイ・マザー
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17歳のユベール・ミネリは退屈な青春の日々を送っていた。最近ひとつだけ、どうしても許せないものがある。趣味の悪いセーター、貧乏臭い部屋のインテリア、食べかすだらけで小言しか言わないやかましい口元まで、なにもかもが耐えられない存在、母親だった。うるさくユベールをコントロールしたがる母、次の瞬間には罪悪感を覚える母。そんな不安定な感情を持て余し、行きどころを失くしてユベールにぶつけてくる。
ユベールは、毎日この欠陥だらけの母親の愛情過多と愛情不足の矛盾に振り回され、かつては大好きだった母への憎悪が膨らみ、制御しきれずにいる。
ある日偶然に、幼いころから親しんだセント・ローレンス川沿いの真っ赤な夕陽の下、母親が土手に腰掛けているのを見かける。幼少時代へのノスタルジーに、不器用に折り合いを付けようともがく少年ユベールの決別のとき。17歳、僕は、母を、殺した。