アオギリにたくして
広島で被爆したアオギリの苗を全国各地で植樹し始めた田中節子。世界的に広がりつつあるこの活動に興味を惹かれたライターの片桐千草は、取材中に知り合った節子の妹から彼女の日記を預かる。そこには、原爆により足を失った女性の苦しみが克明に綴られていた…。
実在の被爆者・沼田鈴子をモデルに、アオギリと彼女の奇蹟の物語を実話に基づき描いていく。絶望の淵に何度も立たされながら、やがて彼女は平和の語り部として生きていく決意をする。彼女がアオギリにたくした思いとは…。壮絶な人生を歩んだ女性の、過酷にして清澄な愛の軌跡。