家
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名家小泉家から橋本家に嫁いだ橋本種子。造り酒家を営む橋本達雄との結婚は誰もが羨むものであり、跡取り正太、仙という子宝に恵まれ、順風満帆な結婚生活を送っていた。一方、弟の三吉は30過ぎて結婚するも、田舎の学校の先生に甘んじる地味な生活。兄嫁の倉の娘、俊のみが、三吉の境遇に好意的だった。
しかし時が流れ、その状況が一変する―。古き商売がうまくいかなくなり、小泉家、橋本家が厳しい状態に陥り、一家はバラバラになってゆく。
家督を継いだ正太は、結婚するも、不安定な身上からか、ホステスと不倫関係になる。三吉の安定した生活を尻目に旧家の面々は大きな転換を余儀なくされる。
そんな変革の中、種は守るべきものが『家』ではなく、ほかにもっと大事なものがあると気づく―。