女侠一代
(C)1958 松竹
明治の中期。九州筑豊炭田で掘った石炭はすべて遠賀川の川舟で運ばれていた。岡蒸気が出現し、これに取って代わろうとしたが、川舟船頭たちは鉄道敷設に命がけで抵抗した。唐戸橋の架設が争いの焦点である。名のある親分たちの失敗ののち、小組ながら男勝りの女傑島村ギンの皆木組に仕事が廻ってきた。ギンは妻子ある地主皆木与一郎と家出し、若松で皆木組を創設した、度胸と気っぷで知られた女である。汽車課長の川上は根本的に川船頭との間を解決するため船頭の元締鐘馗の寅松との掛け合いを頼み、成功すれば永久に鉄道院出入を許すと約した。ギンはダイナマイトを抱えて決死の覚悟で乗りこみ、ついに説得に成功する。