キャタピラー

(C)2010 若松プロダクション
35年振り、ベルリン映画祭最優秀女優賞を獲得した、究極の反戦映画。 勇躍と戦地へと出征していった夫・久蔵が、死なずに妻・シゲ子の元に帰ってきた。数多くの勲章を胸にし、だが四肢を失い顔面は焼けただれた見るも無惨な姿で。“生ける軍神”と崇められる夫に、シゲ子もまた“軍神の妻”として尽くすが。戦争のむごたらしさを真正面から描いた、衝撃の人間ドラマ。
公開日
2010年8月14日(土)
監督
若松孝二
脚本
黒沢久子 出口出
撮影
辻智彦 戸田義久
音楽
サリー久保田 岡田ユミ 主題歌=元ちとせ
出演
寺島しのぶ 大西信満 吉澤健 粕谷佳五 増田恵美 河原さぶ 石川真希 地曳豪 井浦新 篠原勝之
製作年
2010
製作国
日本
上映時間
84
INTRODUCTION
妻のシゲ子は、たった1枚の召集令状で夫を見送った。だが、戦地から帰ってきたのは、顔面が焼けただれ、四肢を失った無残な姿の夫だった。若者たちの生き様を描いた「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」から2年。若松孝二は新作「キャタピラー」を完成させた。静かな田園風景の中で、1組の夫婦を通じて戦争の愚かさと悲しみを描く。妻のシゲ子には、寺島しのぶ。本作で2010年ベルリン国際映画祭銀熊賞最優秀女優賞を受賞した。夫の久蔵役を「赤目四十八瀧心中未遂」で日本映画批評家大賞新人賞受賞のの大西信満が演じる。そのほか、吉澤健、粕谷佳五、河原さぶ、増田恵美など多彩なキャストが登場する。
STORY
男たちは一銭五厘の赤紙で召集されていく。シゲ子の夫・久蔵も勇ましく戦場へと出征していった。しかし、戦場から帰ってきた夫は、顔面が焼けただれ、四肢を失った無残な姿になっていた。村中から奇異な眼を向けられながらも多くの勲章を胸に「生ける軍神」として祀り上げられる久蔵。だが、衰えることのない食欲と性欲に戸惑いながらも、シゲ子は久蔵に尽くすのだった。日本の勝利ばかりを報道するニュースの裏で、東京大空襲、米軍沖縄上陸など敗戦の影は迫ってきていた。久蔵の脳裏に戦場での風景が蘇る。炎に包まれる中国の大平原、逃げ惑う女たちを犯し、銃剣で突き刺し殺す日本兵たち。蛮行を繰り返してきた自分たちの過ちに苦しめられる久蔵。そして、お国のために命を捧げ尽くす事の意味を見失い始めるシゲ子。1945年8月15日、天皇の玉音放送が流れる中、久蔵とシゲ子たちそれそれの敗戦を迎える。
CASTING
●寺島しのぶ 1972年12月28日生まれ。京都市出身。96年芸術祭新人賞受賞。08年アカデミー賞優秀主演女優賞受賞。08年度文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞受賞。主な出演作は、「赤目四十八瀧心中未遂」「ヴァイブレータ」(03)、「愛の流刑地」(07)など。 ●大西信満 1975年8月22日生まれ。神奈川県出身。03年「赤目四十八瀧心中未遂」で毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞受賞。03年度日本映画批評家大賞新人賞受賞。08年「実録・連合赤軍-あさま山荘への道程」に出演。

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