逃げてきた花嫁

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浅草の洋品店ひつじ屋の一人息子敬太は酒もタバコも不調法、女は大嫌いという堅造だが、父の源造は酒と女に眼がないという道楽者だ。お隣の電気器具商六三郎夫婦の一人娘珠子はM型の戦後派娘で、ちっとも落ちつかず出歩いてばかりいる。息子の遊ばないのを心配する源造夫婦と、娘の遊びすぎるのを心配する六三郎夫婦が、世話好きな組合長亀之助のもとへ、それぞれ嫁と婿の相談に出かけた。逸早くそれを知った珠子は幼馴染の敬太に「私に任して頂戴」とばかり、胸をポンと叩いた。そして親友の芸者染子をタイピストに仕立て、敬太の愛人だといって源造夫婦に紹介したところ、どうした風の吹き回しか、敬太がすっかり夢中になってしまった。

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