【STORY】
元諜報部員のジョナサンは、登山家でもあり、今は大学で美術を教える教授をしている。
ある時、ジョナサンが属していた諜報機関から、スイスのチューリッヒで仲間の諜報員が
殺されたため、その犯人を抹殺せよとの依頼が入ってくる。二人の犯人のうち一人はチュー
リッヒに潜み、もう一人は、アイガー北壁に挑戦する国際登山チームの一員であるという。
過去二回、アイガー北壁の登頂に失敗しているジョナサンだが、犯人を見つけ出すために、
再び世界屈指の難所として知られる標高3,970mのアイガー北壁に再び挑むことになる。
【解 説】
クリント・イーストウッド、またまた難しい題材を選びました。CGがない1975年に選ん
だ舞台は、スイスのアイガー北壁。標高3,970mのほぼ絶壁の山、「死の壁」とも呼ばれ
ています。
登山家のプロでも命を落とす山、生身で撮影していると考えながら観ると、それはそれで
ハラハラドキドキします。この時代の役者はスタントを使いながらも、それなりに危険な
シーンを撮っているんですね。
で、この映画、山岳アクション映画と思われがちですが、違いますね。前半は、諜報機関
とのやり取りと一人目の犯人を殺害するまで、そして、アイガー北壁に挑むためのモニュ
メントバレーでのトレーニングとロッククライミング、そしてクライマックスがアイガー
北壁への登頂とおおまかに3部構成となっています。
ジョナサンは諜報部員=スパイなので、ジェームス・ボンドを意識しているのか、各シーン
でちょいちょいボンドガール風な女性が登場してきます。ただこのボンドガール風な女性が
中途半端で、お色気シーンのためのキャラかな?という気もしてしまいます。
そして最後は、ジョナサンが国際登山チーム3人(フランス・ドイツ・オーストリア)とア
イガー北壁に挑戦します。
犯人は誰か?困難な登頂に加え、犯人からの襲撃にも注意を払はなくてはならない…アクショ
ン&サスペンス仕立てになっています。
ちなみにタイトルのサンクションは、「制裁(処置)、処罰」といった意味です。仲間の諜報部員を
殺した犯人へサンクションなのか、犯人からジョナサンへのサンクションなのか、こんな観かたを
するとよりサスペンス度が高まると思います。
1970年代になると、パニック映画が台頭してきます。
本作でジョナサンの友人を演じているジョージ・ケネディ、パニック映画には欠かせない俳優です。
◇『大空港』
◇『エアポート‘75』
◇『大地震』
この時代のクリント・イーストウッド監督のサスペンス映画と言えば
◇『恐怖のメロディ』
アイガー・サンクション
- 公開日
- 1975年11月1日(土)
- 監督
- クリント・イーストウッド
- 撮影
- フランク・スタンリー
- 音楽
- ジョン・ウィリアムズ
- 製作年
- 1975
- 製作国
- 米
- 原題
- THE EIGER SANCTION
- 上映時間
- 129