【COMMENNT】
この映画のクリント・イーストウッドは西部劇でもない、ダーティーハリーでもない、なんとラジオのDJ役で登場します。 ラジオDJのデイブは毎晩のようにリクエストをしてくるファンのイブリンと出会い、その日に一夜をともにします。 ここからがイブリンのストーカー行為の始まりです。別れを切り出すと突然叫び出したり、部屋の合鍵を作ったり、しまいにはデイブの家で自殺未遂まで。 こんなドタバタの時、一度デイブに愛想をつかした元カノが街に戻ってきます。寄りを戻したいデイブは、やっと元カノとデートの約束にこぎつけますが、 なんとその日にイブリンに自殺未遂され、元カノに連絡もできずに約束をすっぽかしてしまうことになります。 その後、自殺未遂までしてもストーカー熱が止まらないイブリン、とうとうある事件を起こして病院に入れられてしまいます。
ざっとこれが前半のストーリーになりますが、監督としてのイーストウッドは題材の選び方がうまい! 1971年当時、日本はともかく当時のアメリカでも精神疾患によるストーカー行為は一般的ではなかったかと思います。映画の中では、この当時としては 予想がつかないストーカー行為をうまく映画に生かして、サイコサスペンスに仕上げています。 イブリンが病院に入れられてから、寄りをもどしたデイブと元カノ。その二人のラブシーンがプロモーションビデオのように流れます。一瞬エンドロールが始まるかと思いますが、物語は続きます。そして二人は「モントレー・ジャズ ・フェスティバル」のライブ会場へ。おそらく当時開催中の実際のライブ会場で撮影していると思われます。これはイーストウッドがジャスファンなので、会場のシーンを入れたかったのでしょう。もしくは、このフェスティバルの発起人がラジオDJだったということもあるかもしれません。 そして「ハンドジャイブ」が演奏され、会場は大盛り上がり、観ているほうもこのノリのいい曲でイブリンのことを一瞬忘れてしまいます。 そんな安心しきったある夜にイブリンから電話が…。彼女のさらにエスカレートしたクレイジーな行動が始まります。