カサノバ

18世紀のヴェネチア。街のいたるところで、カサノバの噂が囁かれていた。彼はあらゆる女性を虜にし、無限の愛を与えるという。修道女との情事の後、役人たちに追われるカサノバは、大学の講堂へと逃げ込んだ。論客はグアルディの著作を引用して女性の解放を叫んでいた。そこで、カサノバが、その論客の男装を解くと、美しい女性フランチェスカ･ブルーニだった。場内が混乱する中。役人がなだれ込み、カサノバは逮捕される。死罪を宣告されたカサノバ。しかし、ヴェネチア総督によって放免となるが、カサノバに良家の子女との結婚を迫った。こうしてカサノバの花嫁探しが始まったのだ。ヴェネチア一の美少女ヴィクトリアに求婚し、婚約が成立した。ところが、隣家の青年ジョバンニに決闘を申し込まれる。激しい剣技の応酬の末にジョバン二を打ち負かし仮面を剥ぐと、現れたのはフランチェスカ嬢だったのだ。男顔負けの腕前を誇る彼女は、弟ジョバン二の身代わりだった。フランチェスカは決闘の相手が噂のカサノバとは知らず、カサノバを否定。そのことが、カサノバの心に火をつけた。実はフランチェスカは異端の覆面作家グアルディなのだ。そんな彼の前に新たな恋敵パプリッツィオが現れた。パプリッツィオは親が決めたフランチェスカの婚約者。そんな時、ローマからは厳格なプッチ司教が送り込まれ、ヴェネチアを騒がす二人の危険人物、カサノバとグアルディの逮捕に執念を燃やす。そして、国中が狂乱のカーニバルへと突入していく。毎夜繰り広げられる絢爛たる仮面舞踏会を舞台に、カサノバとフランチェスカの危険な恋の駆引きが始まった。