秘密のかけら
アメリカが最も輝いていた1950年代。ラニーとヴィンスは、国民的なアイドルの座に君臨するエンタテイナーのデュオ。しかし、あるスキャンダルによって、彼らの築き上げた世界は脆くも崩壊するのだった。宿泊予定のホテルの部屋で発見されたブロンドの美女モーリーンの全裸死体。自殺か他殺かも釈然としないまま、闇から闇へと葬られた事件。ラニーとヴィンスには完璧なアリバイがあり、容疑をかけられることはなかったが、ふたりの間には永遠に修復できない溝が刻まれ、デュオは解散に追い込まれたのだ。15年後。別々の道を歩んでいたラニーとヴィンスの前に、あの事件の封印を解こうとする、若く野心的な女性ジャーナリストが現れる。その秘密を暴こうとするうちに、きらびやかなスポットライトの背後に潜む暗闇の世界に迷い込んでいく。彼女の周囲にたちこめる虚飾と頽廃、セックスと死の匂い。その中から一片の真実が浮かび上がってくる。果たして、モーリーンの死は他殺だったのか? もしそうならば、彼女を殺したのは誰だったのか? そして、ラニーとヴィンスはなぜ解散に追いつめられていったのか?ラストには、予測を遙かに超えた衝撃の真実が待っていた。