ステップ･イントゥ･リキッド

「エンドレス・サマー」は主人公を通してサーフィンの魅力を語ってきたが、本作では特定の主人公ではなく、今日の素晴らしいサーファー達を数多く登場させた。各地を巡りながらあらゆるサーファーの思い出話が、いきいきと語られるのだ。ある時は、世界最高のトゥイン・サーファーの二人が出会う。彼らはお互いの技術を出し合い、世界一巨大な波へ挑戦するため旅に出るという話や、テキサスでは、巨大なタンカーの航跡をサーフする風変わりな輩が登場する。アイルランドでのエピソードは感動的だ。プロテスタントとカソリックによる宗教紛争で切り裂かれているアイルランドの子供達。しかし、マロイ兄弟は子供達の間にサーフィンという掛け橋を架け、サーフィンを通して彼らの心を解きほぐしていく。あるベトナム戦争帰還兵は、30年の時を経て、息子とサーフィンによって親子の絆を見つける。中年の仲間達、若者たち、ソウル・サーファー、幼い子供、そして若手の新人など、サーファーが続々と紹介される。