女王フアナ
イサベル女王の娘、16歳のフアナはスペインの国家を代表して4,000人を越える大艦隊を従え、フランドルのハプスブルク家に嫁いだ。貴公子、フェリペと対面した瞬間、フアナは身も心もフェリペに捧げてしまう。しかし、不実なフェリペは、徐々に心が離れていく。フェリペはもはや、出会った頃のような情熱を彼女に抱いてはいなかった。そんな時、女帝イサベルが死ぬと、その遺言で王位を継ぐことになったのは、父フェルナンドではなく、若干22歳のフアナだった。王位を手中にしようとする夫フェリペ、父フェルナンド、そしてフアナという三者が対立することになる。ド・ヴェイル伯爵は、この機に乗じ、フェリペを操り実権を握ろうと画策する。気性の激しいフアナを「狂女」として失脚させることだった。そして、フアナを「狂女」と認定することに成功する。しかし、すべてを見抜いていたフアナは、その怒りを陰謀者たちに向け、自らの正当性を知らしめた。群衆は熱狂し、彼女は美しい正当なスペインの女王として迎えられた。しかしフェリペはすでに死の病に冒されていた。陰謀を知りながら、愛ゆえに夫を許したフアナ。死の直前、フェリペは、自分の犯した罪を悔い、自分を愛し続けたフアナに繰り返し許しを請うのだった。フェリペは死に、彼女は数週間カスティーリャの荒野を、棺を伴い彷徨いつづけた。女王フアナの美しい愛の狂気だった。
- 公開日
- 2004年3月6日(土)
- 監督
- ヴィセンテ・アランダ
- 脚本
- ヴィセンテ・アランダ
- 撮影
- パコ・フェメニア
- 音楽
- ホセ・ニエト
- 製作年
- 2001
- 製作国
- スペイン=伊=ポルトガル
- 原題
- JUANA LA LOCA
- 上映時間
- 117
- INTRODUCTION
- スペインを統一したイサベル女王の娘で、神聖ローマ帝国皇帝カール5世の母という女王ファナ。イサベル亡き後はコロンブスの庇護者であり、長くイスラム・ユダヤ・キリスト教徒が混在していたスペインで、ユダヤ教徒追放を行った女王として有名だ。主演は、スペインで絶大な人気を誇るピラール・ロペス・デ・アジャラ。初主演となる本作での演技でゴヤ賞、サンセバスティアン映画祭の主演女優賞の二冠を受賞している。これにより早くも海外でも注目を集め、「THE BRIDGE OF THE SUN LUIS REY」に主要キャストとして出演し、ロバート・デ・ニーロ、キャシー・ベイツ、ハーヴェイ・カイテル、ガブリエル・バーンと顔を合わせている。狂気なまでの一途な愛をつらぬいた女王として、さまざまな伝説を残す女王フアナ。本作は彼女の真実の生き様に迫っている。
- STORY
- イサベル女王の娘、16歳のフアナはスペインの国家を代表して4,000人を越える大艦隊を従え、フランドルのハプスブルク家に嫁いだ。貴公子、フェリペと対面した瞬間、フアナは身も心もフェリペに捧げてしまう。しかし、不実なフェリペは、徐々に心が離れていく。フェリペはもはや、出会った頃のような情熱を彼女に抱いてはいなかった。そんな時、女帝イサベルが死ぬと、その遺言で王位を継ぐことになったのは、父フェルナンドではなく、若干22歳のフアナだった。王位を手中にしようとする夫フェリペ、父フェルナンド、そしてフアナという三者が対立することになる。ド・ヴェイル伯爵は、この機に乗じ、フェリペを操り実権を握ろうと画策する。気性の激しいフアナを「狂女」として失脚させることだった。そして、フアナを「狂女」と認定することに成功する。しかし、すべてを見抜いていたフアナは、その怒りを陰謀者たちに向け、自らの正当性を知らしめた。群衆は熱狂し、彼女は美しい正当なスペインの女王として迎えられた。しかしフェリペはすでに死の病に冒されていた。陰謀を知りながら、愛ゆえに夫を許したフアナ。死の直前、フェリペは、自分の犯した罪を悔い、自分を愛し続けたフアナに繰り返し許しを請うのだった。フェリペは死に、彼女は数週間カスティーリャの荒野を、棺を伴い彷徨いつづけた。女王フアナの美しい愛の狂気だった。
- CASTING
- ●フアナ:ピラール・ロペス・デ・アジャラ 1978年生まれ。マドリッド出身。99年、“Bailame el aga”に出演し注目を集め、本作「女王フアナ」で映画初主演。サンセバスティアン映画祭、ゴヤ賞で最優秀主演女優賞の2冠に輝いた。LOEWE、シャネル、クリスチャン・ディオール、フレシネなど、多くのCMに登場し、スペイン国内で最も人気のある女優としての地位を確立した。 ●フェリペ:ダニエレ・リオッティ 1971年生まれ。ローマ出身。99年のテレビドラマ“Operazione Odissea”で一気にスターダムへ。イタリア国中の人気者になる。 ●ド・ヴェイル伯爵:ジュリアーノ・ジェンマ 1938年生まれ。ローマ出身。60年代、70年代には、マカロニ・ウエスタンの貴公子と呼ばれ「荒野の一ドル銀貨」(65)、「暁のガンマン」(68)など、80本以上の映画に出演。30を超える賞も受賞しているイタリアを代表する俳優。