eiko エイコ
(C)2003映画「eiko」製作委員会
東京近郊のとある住宅街のアパートで、一人暮しをする秋森エイコ23才。ある日の仕事の帰り、駅前で怪しげな女性に呼び止められた。その女が言うには、エイコの顔に「人生の転機」が訪れているという。結局、キャッチセールスのその女性から大きな石のついた指輪を買わされた。しかし、エイコは、それでも明日の幸せを信じ「人生の転機」を実りあるものにしてくれるという、ハッピーストーンの指輪を大事そうに抱えて帰宅する。そんな彼女の元に、やくざ風の男が訪ねてくる。男は、町金の取立て屋だった。
翌朝、エイコが勤めているデザイン事務所に出社すると、社長は夜逃げしていた。途方にくれるエイコは恋人の戸田を訪ねるが、エイコが金を持っていないと知ると、冷たく彼女を追い返す。エイコのアパートの前には昨日の取立て屋が彼女の帰りを待っていた。行く当てもなくなったエイコは、社長の住んでいたマンションを訪ねるが、玄関から顔を出したのは見たこともない初老の男。そしてエイコを見るなり「加代、加代じゃないか…」とつぶやく。どうやら少しボケて、エイコを加代という女性と間違えているらしい。泊まる場所もないエイコは、このボケ老人・江ノ本にすすめられるまま、この部屋に泊まった。翌日、戸田のアトリエを訪ねるとパトカーがいっぱい。戸田は麻薬常習の容疑で捕まったのだ。身も心もボロボロになったエイコの帰る場所は、ボケ老人の住むマンションしかない。そして、奇妙な共同生活が始まったのだ。