しあわせな孤独
セシリは温かな雰囲気のレストランで働くコック。一緒に暮らす恋人のヨアヒムは大学で地理を専攻し、あと1年で博士号を取得できる。ある日、調査旅行に出かけるヨアヒムをセシリが車で送り、ヨアヒムが外に降りた時、スピードを上げた車が追突した。ヨアヒムは全身不随となり、優しい気持ちまで失ってしまう。神経外科の女医に暴言を吐き、セシリにも出て行けと怒鳴り、ついに別れを宣言する。ヨアヒムを轢いてしまったのは医師ニルスの妻マリー。ヨアヒムはニルスの勤める病院に運ばれる。そしてニルスはセシリに謝りに行き、相談に乗るからと携帯番号を教える。面会を拒絶するヨアヒムのことを悲しんで、セシリはニルスに会いその夜抱かれるのであった。ニルスは家族といてもセシリのことばかり考えてしまう。ニルスの態度がおかしいことに最初に気付いたのは娘のスティーネだった。彼女は父の後をつけ、セシリとの関係を知ってしまう。思い余って夜遅くにセシリを訪ねるスティーネ。セシリはマリーに連絡し、ついにマリーも二人の関係を知ることになる。ニルスはセシリとの恋を選び、家を出た。ところが、セシリに病院からヨアヒムが会いたがっているという連絡が入り、ヨアヒムの「力を貸してくれ」の言葉にセシリは大きくうなずく。ニルスは、セシリとの愛のかけらを抱きしめたまま、マリーの元へ帰らない。街はクリスマス、このもつれた糸はどうなるのだろうか。