ボブ・クレイン 快楽を知ったTVスター

ラジオの人気DJボブ・クレインは、TVドラマ「0012捕虜収容所」の主役で大当たり。そんな時、ビデオ機器の営業マン、ジョン・カーペンターと知り合ったことで、性の饗宴にのめり込んでいく。
公開日
2003年11月1日(土)
監督
ポール・シュレイダー
脚本
マイケル・ガーボシ
撮影
フレッド・マーフィ
音楽
アンジェロ・バダラメンティ
出演
グレッグ・キニア ウィレム・デフォー リタ・ウィルソン マリア・ベロ ロン・リーブマン ブルース・ソロモン マイケル・ロジャース カート・フラー ドン・マクマナス ヴィト・ルギニス エド・ベグリー・Jr
製作年
2002
製作国
原題
AUTO FOCUS
上映時間
105
INTRODUCTION
60~70年代の空気やショウビズ界の現実を背景に、クレインが辿ったスターとしての一瞬の栄光からミステリアスな死に至る波瀾の生涯をウィットに富んだ視点で強烈に描いた作品。 良き家庭人でもあった好感度満点の輝くスターが、ジョン・カーペンターに会った事で欲望にのめり込むことの甘美さに憑かれ、自分を見失っていく。それは、60年代から70年代に生きたアメリカ男性の性的アイデンティティの記録。『アメリカン・ジゴロ』(80)、『キャット・ピープル』(81)、“Mishima:A Life in Four Chapters”(85)の監督にして『タクシードライバー』(76)、『最後の誘惑』(88)などの脚本家、ポール・シュレイダーが監督を務める。主役のボブ・クレインには、『恋愛小説家』(97)でアカデミー賞助演男優賞ノミネートのグレッグ・キニア。クレインを欲望の世界に導くカーペンターに、『最後の誘惑』、『スパイダーマン』(02)の個性派ウィレム・デフォー。他に、『プリティ・ブライド』(99)や夫のトム・ハンクスと共に製作した「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』(02)が知られるリタ・ウィルソン、『コヨテ・アクリー』(00)、TV「ER緊急救命室」(96~98)のマリア・べ口が、クレインの二人の妻をリアルに演じている。音楽は、『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』(92)、『マルホランド・ドライブ』(01)などに印象的な曲を提供しているアンジェロ・バダラメンティ。雰囲気をかもし出す独特の音楽やノスタルジックなジャズで映画のテーマを際立たせる。60年代から70年代のファッションにも注目だ。
STORY
ラジオ局KNXのモーニングショーでDJをしているのはボブ・クレイン(グレッグ・キニア)。人気者の彼は、妻アンの誠実な夫であり、三人の子供達の良き父親でもあった。ある日、エージェントのレニー(ロン・リーブマン)が、TVコメディの主役の話を持ってくる。断ろうとするが脚本を見て考えを変えた。コメディ「0012捕虜収容所」は、65年9月17日にCBSでスタートし、新番組の中でトップの視聴率を獲得。クレインは営業マン、ジョン・カーペンター(ウィレム・デフォー)に出会う。カーペンターの誘いでストリップバーに初めて足を踏み入れたクレインは、乞われるままにステージでドラムを叩く。ある夜、ストリップ嬢二人と共にカーペンターのアパートに招かれると、カーペンターの思惑と女の誘惑に負け、初めて妻アンを裏切ってしまう。 この時から、クレインとカーペンターの「交友」が始まった。自分達二人のセックス用に、クレインの人気を利用して女達を口説くカーペンター。次第に支配的立場に立つようになるクレイン。乱交、SM何でもあり、と段々エスカレートしていくセックスの饗宴は、カーペンターが調達したビデオカメラで盗撮、コレクションされた。アンとの家庭は崩壊し、クレインは「0012捕虜収容所」の出演女優パティ・オルスン(マリア・ベロ)と再婚。だが「0012捕虜収容所」が終了し、仕事が思うように回ってこなくなり、地方のディナー劇場を巡業するしか道はなかった。そんなクレインのもとに、念願の映画出演のオファーが舞い込むが、映画興行は失敗に終わり、パティとの仲も壊れてゆく…。過去のTVスターに成り下がっていた。業界で相手をする者は誰もいない。そして、1978年6月29日。アリゾナ、スコッツデール。地方巡業中のボブが眠るホテルのベッドに何者かが忍び寄るのだった。
CASTING
●グレッグ・キニア(ボブ・クレイン) 1963年6月17日、アメリカ、インディアナ州に生まれる。E! Entertainment Television ”Talk Soup”でエミー賞を受賞。映画デビュー作は、シドニー・ポラック監督の『サブリナ』(95)。97年『恋愛小説家』でアカデミー賞(R)ゴールデン・グローブ賞などの助演男優賞にノミネートされた。ほかの出演作に『ユー・ガット・メール』(98)、『ギフト』(00)、『恋する遺伝子』(01)、『ワンス・アンド・フォーエバー』(02)など多数。 ●ウィレム・デフォー(ジョン・カーペンター) 1955年7月22日、アメリカ、ウィスコンシン州に生まれる。映画デビューは、81年『天国の門』。その後、オリバー・ストーン監督の『プラトーン』(86)でアカデミー賞(R)助演男優賞にノミネート。主な出演作は、『ミシシッピー・バーニング』(88)、『最後の誘惑』(88)、『ワイルド・アット・ハート』(90)、『イングリッシュ・ペイシェント』(96)な『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』(00)、『スパイダーマン』(02)など。    ●リタ・ウィルソン(アン・クライン) 1958年10月26日生まれ。『めぐり逢えたら』(93)、『Dear フレンズ』(95)、『すべてをあなたに』(96)、『サイコ』(98)、『ストーリー・オブ・ラブ』(99)、『プリティ・ブライド』(99)などに出演。『ピース・フォース』(85・未)で共演したトム・ハンクスと88年に結婚、近年夫妻で『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』(02)のプロデューサーを務める。 ●マリア・ベロ(パトリシア・クレイン)  1967年4月18日、アメリカ、ペンシルベニア州生まれ。NBCのドラマ「ER 緊急救命室」(3rd &4th Season/96~97, 97~98)での情熱的で頑固な小児科医アン・デル・アミコ役で一躍名を上げる。映画出演作には、『ペイバック』(99)、『デュエット』(00)、『コヨーテ・アグリー』(00)、『パンダ・アドベンチャー』(01/IMAX)、”100 Mile Rule”(02)など。 ●ロン・リーブマン(レニー) 1937年、ニューヨーク生まれ。映画出演作には、『ノーマ・レイ』(79)、『ゾロ』(81)、『NY検事局』(97)など。TVでは、「リフキン・ザ・ハンター」(81)、「アメリカの選択」(87)などの他、脚本、製作も兼ねて、エミ-賞最優秀男優賞を受賞した「熱血弁護士カズ」(78~79)がある。
配給会社
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

ShareSNSでシェアしよう!

TOP