リード・マイ・リップス
35才独身の女性カルラは、土地開発会社に働くOL。普通のOLと少し違うのは、難聴で補聴器を使っているが、読唇術が出来ること。彼女の仕事は電話交換や書類整理、アポイントメントの確認といった雑務で忙しい。ある日、カルラは眩暈で仕事中に社長の目前で倒れてしまう。社長から「アシスタントを雇うように」と命じられ、彼女は職安で「25歳の男性を」と求人広告する。そして彼女の前に現われたのが、ポール・アンジェリ。長身のやせ型で長髪、だらしない口髭。左手の袖には十字架のタトゥー。求人広告の理想とは程遠い男いかにもアブナイ男を、カルラはアシスタントとして雇ってしまったのだ。彼の正体が、刑務所から出所したばかりのチンピラであることを知っても驚かなかった。ポールとのコンビでいつもとは違う生活が始まる。しかしそれも長続きはしなかった。ポールは借金取りに追われ、ヤクザのボス、マルシャンの経営するナイトクラブのバーテンダーをすることに。そこで、マルシャンたちが銀行から大金をせしめようとすることを知り、ポールとカルラは協力してその大金を横取りする計画に出た。しかしポールが捕まってしまうが、双眼鏡から見るカルラにポールは口の動きでサインを送る。緊迫した場面の中、カルラは読唇術でそのサインを読みポールの脱出を成功させることが出来るか?
- 公開日
- 2003年9月20日(土)
- 監督
- ジャック・オーディアール
- 撮影
- マチュー・ヴァドゥピエ
- 音楽
- アレクサンドル・デスプラ
- 製作年
- 2001
- 製作国
- 仏
- 原題
- READ MY LIPS
- 上映時間
- 119
- INTRODUCTION
- 本作は『天使が隣で眠る夜』で監督デビューしたジャック・オディアールの長編第3作。彼は往年のフィルム・ノワールの名脚本家ミシェル・オディアールの愛息であり、自らも脚本や編集担当としてポランスキーの『テナント』やクロード・ミレールの『死への逃避行』などサスペンス映画の秀作に携わってきた。本作ではその経験が最大限生かされている。前半の濃厚なラヴストーリーの予感から一転、後半はスリリングなサスペンスに趣きを急転させるというように、野心作を創りあげたのだ。フランスで「心揺さぶる傑作」、「美しく、力強い感動を呼び起こす」とマスコミからの大絶賛。公開されるやたちまち口コミが広がり、興収450万フランの観客を動員するヒットを記録した。02年のセザール賞では、主要9部門にノミネートされ、カルラを演じたエマニュエル・ドゥヴォスは主演女優賞に輝いた。他にも脚本、録音の3部門を独占。全米公開後もフランス映画としては異例のロングラン・ヒットを続けている。ポール役は「ジェヴォーダンの獣」「アレックス」のヴァンサン・カッセル。カルラ役のエマニュエル・ドゥヴォスは、「そして僕は恋をする」「パリの確率」の若手演技派だ。ポールを悪の道へ誘うマルシャンには、「イゴールの約束」のリヴィエ・グルメ。02年に「息子のまなざし」でカンヌ映画祭男優賞を受賞している。オディアールと共同脚本を担当したのは、本作でセザール賞を受賞したトニーノ・ブナキスタ。スタッフの一流どころが結集している。
- STORY
- 35才独身の女性カルラは、土地開発会社に働くOL。普通のOLと少し違うのは、難聴で補聴器を使っているが、読唇術が出来ること。彼女の仕事は電話交換や書類整理、アポイントメントの確認といった雑務で忙しい。ある日、カルラは眩暈で仕事中に社長の目前で倒れてしまう。社長から「アシスタントを雇うように」と命じられ、彼女は職安で「25歳の男性を」と求人広告する。そして彼女の前に現われたのが、ポール・アンジェリ。長身のやせ型で長髪、だらしない口髭。左手の袖には十字架のタトゥー。求人広告の理想とは程遠い男いかにもアブナイ男を、カルラはアシスタントとして雇ってしまったのだ。彼の正体が、刑務所から出所したばかりのチンピラであることを知っても驚かなかった。ポールとのコンビでいつもとは違う生活が始まる。しかしそれも長続きはしなかった。ポールは借金取りに追われ、ヤクザのボス、マルシャンの経営するナイトクラブのバーテンダーをすることに。そこで、マルシャンたちが銀行から大金をせしめようとすることを知り、ポールとカルラは協力してその大金を横取りする計画に出た。しかしポールが捕まってしまうが、双眼鏡から見るカルラにポールは口の動きでサインを送る。緊迫した場面の中、カルラは読唇術でそのサインを読みポールの脱出を成功させることが出来るか?
- CASTING
- ●ポール・ヴァンサン・カッセル 1966年11月23日生まれ、パリ出身。父は名優ジャン・ピエール・カッセル。ニューヨークの演劇学校で学び、フランスに帰って舞台「鳥たち」に出演っする。89年、「頭の一撃だけでなく」で映画デビュー。95年、「憎しみ」でセザール賞主演男優と有望若手男優の候補となり注目を集める。主な出演作は「エリザベス」(98)、「ジャンヌ・ダルク」(98)「クリムゾン・リバー」(00)、「バースデイ・ガール」(01)、「ジェヴォーダンの獣」(01)など。 ●カルラ・エマニュエル・トゥヴォス 1964年パリ生まれ。86年、「チャーリー・スペンサーが盗まれた」でデビュー。90年、「ウィと言って、ノンと言って」の主演で注目される。96年、「そして僕は恋をする」でセザール賞有望若手女優賞候補となり、本作「リード・マイ・リップス」でセザール賞主演女優賞を受賞する。主な出演作は「魂を救え」(92)、「哀しみのスパイ」(93)、「私を忘れて」(94)、「パリの確率」(99)、「見えない嘘」(01)、「逢いたくて」(02)など。
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