月の砂漠
(C)2001/2003「月の砂漠」製作委員会
ベンチャー企業として日本初の株式海外市場上場を達成した永井。毎日疲れ果てて帰宅する永井には家庭がない。妻アキラと娘カアイは家を出てしまっている。永井は、写真やビデオ映像を見ることで自分を慰めていた。企業家として有名になった彼は、あるTV番組に出演し「欲しいと思ったものを手に入れると、その欲しかったものは消えてなくなる。あとに残るのは妄想だけ」と語る。その番組を見ていた孤児の青年・キーチは、その晩、道端に寝ころんでいるところを偶然永井に拾われる。相変わらず家族のビデオを眺めている永井に、キーチは「あんたの言ってた”欲しかったもの”って、家族のこと?」と尋ねる。そこで、永井は、妻と娘を探してくれとキーチに頼んだ。そして、キーチはアキラを見つけだすが、都内のホテルに滞在しているアキラは、カアイを連れて、実家に2人きりで暮らすことを決意していた。
- 公開日
- 2003年9月6日(土)
- 監督
- 青山真治
- 脚本
- 青山真治
- 撮影
- 田村正毅
- 製作年
- 2001
- 製作国
- 日本
- 上映時間
- 131
- INTRODUCTION
- 監督は青山真治。『Helpless』でデビューして6年間、話題作を連続して送り出してきた。昨年『EUREKA』で第53回カンヌ映画祭コンペティション部門へ初招待。「国際批評家連盟賞」「エキュメニック賞」をW受賞し、その後もベルギー王立フィルムアーカイブよりグランプリに当たる「ルイス・ブニュェル『黄金時代』賞」を贈られる。世界中で評価され14ヶ国で公開。本作は『EUREKA』に続き2年連続で第54回カンヌ映画祭コンペティション部門へ正式招待された。これは、衣笠貞之助(53年『大仏開眼』、54年『地獄門』)に続く日本人2人目だ。過去2年連以上で同部門へ招待された監督は、50年代にルイス・ブニュエル(51-52-53)、60年代にフォルカー・シュレンドルフ(66-67)、70年代にマーティン・スコセッシ(75-76)、ヴィム・ベンダース(76-77)、80~90年代にロバート・アルトマン(86-87)、ジュゼッペ・トルナトーレ(89-90)、チャン・イーモウ(94-95)など錚々たる顔ぶれである。プロデューサーは仙頭武則。本作のコンペティション部門招待の他、ある視点部門に『H story』(諏訪敦彦監督)、批評家週間に『UNLOVED』(万田邦敏監督)と同一プロデューサー、による3部門3作品招待は世界的にも例をみない日本初の出来事で、『M/OTHER』(99)、『EUREKA』(00)に続く3年連続カンヌ出品となった。
- STORY
- ベンチャー企業として日本初の株式海外市場上場を達成した永井(三上博史)。毎日疲れ果てて帰宅する永井には家庭がない。妻アキラ(とよた真帆)と娘カアイ(碇由貴子)は家を出てしまっている。永井は、写真やビデオ映像を見ることで自分を慰めていた。企業家として有名になった彼は、あるTV番組に出演し「欲しいと思ったものを手に入れると、その欲しかったものは消えてなくなる。あとに残るのは妄想だけ」と語る。その番組を見ていた孤児の青年・キーチ(柏原収史)は、その晩、道端に寝ころんでいるところを偶然永井に拾われる。相変わらず家族のビデオを眺めている永井に、キーチは「あんたの言ってた”欲しかったもの”って、家族のこと?」と尋ねる。そこで、永井は、妻と娘を探してくれとキーチに頼んだ。そして、キーチはアキラを見つけだすが、都内のホテルに滞在しているアキラは、カアイを連れて、実家に2人きりで暮らすことを決意していた。
- CASTING
- ●三上博史(永井恭二) ●とよた真帆(アキラ) ●柏原収史(キーチ) ●碇由貴子(カアイ) ●細山田隆人(ツヨシ) ●夏八木勲(ツヨシの父) ●秋吉久美子(キーチの客) ●萩原健一(社長) ●國村隼(野々宮) ●生瀬勝久(市山) ●ピエール瀧(榊) ●村上淳(白木) ●粟田麗(中村) ●江角英明(鶏屋) ●船木誠勝(マツシマ) ●津田寛治(サテツ) ●板尾創路(インタビュアー)