熱風
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九州のとある製鉄所。製鉄課長・佐々木を中心として監督員・菊地、「溶鉱炉の神様」と呼ばれるベテランの吉野らが集まり職場会議が開かれていた。議題は「第四溶鉱炉の能率引き上げ」についてだった。第四溶鉱炉は、低能率と事故の頻発をもって“魔の溶鉱炉”と怖れられていた。菊地はこの溶鉱炉の専任監督員を買って出た。伍長には柴田健介が任命された。その折り溶鉱炉が暴走、工員が負傷したが、柴田は身体を張って爆発の危険を未然に防いだ。ある日、柴田は新入社の女事務員・平沼久美子に声をかけられる。同じく事務員として勤務している康子の父は、第四溶鉱炉の犠牲になり、叔父の吉野の家に身を寄せていた。