三匹の侍

(C)1964 松竹
浪人柴左近は、代官松下宇左衛門支配下の村で、凶作と重税に泣く百姓が、代官の娘亜矢を人質にして、強訴しようとしている騒動に出喰わした。左近は持ち前の侠気から百姓に加担して、亜矢を奪回しようと、押し寄せた役人達を蹴散らした。松下は、江戸から帰る領主に百姓が強訴するのを恐れて浪人桔梗鋭之助や桜京十郎ら、不良浪人を狩り集めて、百姓達のたてこもる水車小屋を襲った。しかし鋭之助や京十郎は、百姓たちが義民であることを知り、逆に、左近と協力して不良浪人を斬り倒した。手をやいた代官は百姓の一人五作の娘おやすを捕え、亜矢との交換を迫った。おやすの身を案じた左近は、百姓たちの身の安全を条件に自ら首謀者として名のりでた。しかし代官は約束を果さず、百姓たちを斬り殺した。京十郎は、怒り狂う百姓たちを制して、鋭之助と共に、代官屋敷にしのびこみ左近を救い出した。いよいよ城主がこの村を通る日、左近らは城主に直訴するつもりで行列の通り道近くの網小屋にたてこもった。松下は行列のさきぶれにきた剣客大内玄馬らの一隊に網小屋を襲撃させ、左近、鋭之助、京十郎らはこれを迎え討った。壮絶な死闘の末三人は、松下、大内らを斬りたおした。城主の行列を後に三人はまたいずこともない旅に出るのだった。

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