美しい暦
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長野県松本市。高校三年生の矢島貞子は質屋の娘。学校には、美術の教師で若くて男前なの武井先生や、尊敬する化学の村尾先生がいて楽しい楽しい日々を送っている。ある日、貞子たち生徒の前で武井と村尾は授業法について猛烈な議論をかわした。この若い二人の先生の間に恋の予感を察知した敏感な貞子たち。そうした貞子にも、ふと思い出す顔があった。一ケ月前登山の時知りあった高校生、田村邦夫のことである。ある夜、質屋の店番をする貞子の前に現れたのは、思いがけない田村の姿であった。思いがけぬ田村の出現にポカンんとする貞子。田村はカメラを出して授業料千三百八十円を借りたいという。