愛のお荷物
(C)1955 日活
戦後ベビーブーム。人口の増加を食い止めようと考えていた、時の厚生大臣新木錠三郎は、「受胎調節相談所設置法案」の施策を講じる。ところが、錠三郎が厚生委員議会で、人口軽減に関する大演説を行っている頃、四十八歳になる蘭子夫人が産婦人科で妊娠を告げられていた!そればかりか、新木家の長男錠太郎君は、かねてから秘かに恋愛中だった、錠三郎の秘書五代冴子さんから、愛のお荷物ができたらしいと打明けられる。結婚式を控えた、末娘さくらも、実は近づく結婚が待ち切れず、許婚の出羽小路亀之助君との間に、愛のお荷物が出来てしまっていたのだ。その上驚いたことに、新木家の御隠居、八十歳になる錠造翁までが、若い茶飲み友達との間に、お荷物ができかねない有様である。そんな中、京都へ遊説に行った錠三郎は、かつての恋人貝田そめに訪問され、彼女との間に出来た子供の存在を知らされて愕然となる。斯くして、新木家の人口は一躍倍以上にはね上ることに。そして新木家の御婦人たちは、一斉にお芽出たの日を待つばかりとなったが、さて日本の人口問題はどうなるやら。