セントラル・ヴァレー
カリフォルニアの内陸部の大半を占めるグレート・セントラル・ヴァレー。全長700キロ、幅100キロに及び、アメリカ全土の1/4に食料を供給している。その広大な土地を所有するのは石油会社や農業関連の大企業だ。ベニングはその風景を16ミリフィルムの1リール分(2分半)をフィックスの1ショットで撮影し、35ショットで構成したポートレートとした。そこに写される殺風景な荒地は、全て企業の所有物であることが最後に明かされ、注意深く見れば労働者の多くは移民であることが分かる。風景の中に込められた政治性が重要な要素となっているベニングの代表作の一本。