ロシアがウクライナに侵攻し、侵略戦争が始まった2014年。その年の11月、ウクライナの首都キーウで暮らす外科医セルヒーが、12歳になった娘ポリーナの誕生日を祝うためにサバイバルゲームの会場を訪れる。そこには別れた妻オルガと、彼女の新たなパートナー、アンドリーもいた。兵士のアンドリーは前線でロシア軍の攻撃に遭って死にかけたというが、「一週間休んで戦場に戻るよ」と事もなげに告げる。
キーウの街は平穏を保っているが、セルヒーが勤める病院にも東部戦線から次々と負傷兵が搬送されてきた。地雷の爆発で重傷を負った兵士を救えなかったセルヒーは空しさを覚える。後日、ドライブ・イン・シアターでポリーナからアンドリーが再び戦場に赴いたと聞かされたセルヒーは、「パパは行かないの?」と問われ、言葉に詰まってしまう。
その冬、従軍医師となったセルヒーは、戦場での移動中に道に迷って人民共和国軍の検問所にさまよい込む。車を運転していた同僚は銃殺され、セルヒーは捕虜となった。捕虜収容所ではウクライナ兵への非人道的な拷問が行われていた。セルヒーが外科医だと知った収容所の所長は、血まみれでぐったりした兵士の死亡確認を命じる。この世の地獄を見たセルヒーは、独房で自殺を試みるが死にきれない。そんなセルヒーの前に、捕虜となったアンドリーが連行されてきた。惨たらしい拷問で虫の息となったアンドリーを極限の苦しみから解き放つため、セルヒーは彼の首を絞めて絶命させた。そしてウクライナ兵の遺体を処分する移動火葬車の運転手に取引を持ちかけ、アンドリーの遺体をこっそり市外に運び出してもらう。
やがて捕虜交換によってキーウに帰還したセルヒーは、戦場で消息不明となったアンドリーの身を案じるオルガとポリーナと対面するが、残酷な真実を告げることができない。その後、セルヒーはアンドリーの不在を寂しがるポリーナを慰めるため、彼女と共に過ごすようになる。マンションの壁に激突して墜落したハトを荼毘に付しながら“死”について語って聞かせ、ポリーナが生前のアンドリーと交わした約束をひとつずつ叶えてやろうとする。それはセルヒーにとっても、失われた日常を取り戻すためのかけがえのない時間だった。そんなある日、アンドリーの遺体が発見されたとの知らせが届く……。
■公式サイト
リフレクション
(C)Arsenal Films, ForeFilms
2022年6月25日(土)公開
- 公開日
- 2022年6月25日(土)
- 製作年
- 2021
- 製作国
- ウクライナ
- 原題
- ВВідблиск|
- 上映時間
- 126
- 配給会社
- アルバトロス・フィルム