ユートピア
ある夏の朝、まみが目を醒ますと雪が降っていた。そして、二段ベッドの上に現れた謎の少女 ベア。電気や水などのライフラインが途絶した混乱の中、まみは言葉の通じないベアに妙な懐かしさを覚え、惹かれてゆく。しかし、行動を共にする中でたどり着いた絵本《ハーメルンの笛吹き男》に二人は驚愕する。なんとベアは、1284年にドイツのハーメルンで笛吹き男にさらわれた130人の子どもたちの一人だった。時を同じくして、少しずつ姿を消す東京の子どもたち。ベアをさらった笛吹き男「マグス」の正体は?夢の中にある「火も音楽も名前もない平和な国」とは?そして、ベアの未来は?停止した東京で、おとぎ話の続きが始まる。