中国国内での上映が禁じられ、5年間の表現活動禁止処分が言い渡されたロウ・イエ監督の話題作『天安門、恋人たち』(2006)。昨年『シャドウプレイ【完全版】』と『サタデー・フィクション』の公開を記念し、ロウ・イエ監督旧作特集上映を開催したところ、国内外限らず沢山の方々が来場した本作は、2006年公開時の35mmプリントをテレシネし、ノンレストアでDCP化された作品。デジタル化しても、フィルムの味わいを感じさせる映像に仕上がり今回再上映が決定!
本ビジュアルでは、本作の主人公で余紅役(ユー・ホン)演じる郝蕾(ハオ・レイ)の顔を照らす光と影の陰影。彼女のアンニュイな表情は人間の孤独と愛、その狭間で揺れるユー・ホンの心情を捉えた一枚だ。
本作は2006年公開時の35mmプリントをテレシネし、ノンレストアでDCP化された作品。フィルムの味わいを感じさせる映像に仕上がっている。また、ビジュアルには本作の原題『頤和園』を中国語の簡体字で表現し、デザインとして採用している。頤和園は、英語でSummer Palaceと呼び、北京城の西に位置する庭園公園のことを表している。
『頤和園』は本編中、2人の幸せなデートシーンで使用されている。
舞台は、1980年代の中国北京。自由と民主化を求め解放的なムード漂う学生たちの青春とその後の人生を切なくも強く生きるユー・ホンとその恋人で周偉役(チョウ・ウェイ)グオ・シャオドン、2人の恋愛を赤裸々に描く官能ラブストーリー。本作は、孤独に向き合い、道に迷いながらも生きる人々を人間愛に満ちた視点で描くロウ・イエ監督の大傑作にして今観るべき作品であるに違いない。
2024年5月31日(金)全国順次公開