伝説的デビュー作『子猫をお願い』のチョン・ジェウン監督、待望の最新ドキュメンタリー『猫たちのアパートメント』より、著名人コメントと「私は猫ストーカー」で知られる浅生ハルミンのイラストをフューチャーしたイラストビジュアルが解禁された。
ソウル市内・江東区のかつてアジア最大と呼ばれたマンモス団地。老朽化で再開発が決まり、少しずつ住民の引越しや取り壊し工事が進んでいる。そこには住民に見守られて250匹の猫たちが暮らしていた。猫たちのこれからはどうなるのか?猫と住民によるお引越し大作戦が始まる。本作は、ソウル市内にあるマンモス団地。老朽化で再開発が迫るその団地には250匹の猫たちが住んでいた。猫たちはどうなるのか?猫たちと住民たちによるお引越し作戦を四季を通じて2年半にわたって捉えた温かなドキュメンタリー。
解禁されたのは、「私は猫ストーカー」「猫の目散歩」などの猫に関する著作で知られるイラストレーター、エッセイストの浅生ハルミンが本作に登場する黒猫や、猫たちと共に団地に住むリスや鳥の姿を愛くるしいイラスト。また、猫好きとして知られる作家の角田光代やミュージシャンの坂本美雨、漫画家のいがらしみきお、団地を舞台にしたSFジュブナイル漫画「ぼくらのよあけ」が今年、アニメ映画化され話題となった漫画家の今井哲也(大の猫好きでもあります)などの著名人のコメントも到着した。
■角田光代(作家)
動物を愛することは、人間を憎むことではない。ボランティアのひとりが語るこの言葉に、彼らの闘いのすべてがあらわれている。この闘いはまったき愛に基づいている。
■坂本美雨(ミュージシャン)
彼女たちは愛と自己犠牲に溺れないように、猫への冷静な視線を忘れずにいる。何のために猫を助けるのか、そもそも猫を助けるとはなにか。自分と向き合いながら、猫と向き合っている。
■浅生ハルミン(イラストレーター、エッセイスト/「私は猫ストーカー」「猫の目散歩」)
作者はカメラを通して猫に優しいまなざしを向ける。猫と一体化している。そしてこの社会は人間だけのものじゃないということを写し抜く。共に暮らした時間と場所、その記憶が可視化され、それは猫たちの人懐こさや賢いうしろ頭に滲み出ていた。観終わったとき、「誰だってずっとそこに住んでいたいよね!」と声に出して言ってしまった。
■いがらしみきお(漫画家/「ぼのぼの」)
人はなぜペットのためにここまで献身的になれるのか。牛や豚や鶏を好きなだけ食い、勝手に避妊手術させたりすることへの贖罪意識からだろうと思っていましたが、
どうもそれを越えてますね、この映画は。
■今井哲也(漫画家/「ぼくらのよあけ」)
相手が何を考えているのか、何をすれば本当に相手のためになるのかわからないので必死で考え続ける。
猫とつきあうことは人生そのものと同じだなと思いました。ネコチャンは人生。
■深田晃司(映画監督)
ネットを開けばネコ動画が溢れる時代にネコだらけの映画をスクリーンで見る価値はあるのか? はい、あります。
膨大な時間と手間をかけて記録された、ここでしか見られないネコとヒトの抜き差しならない関わりに思考を刺激されまくる。
移ろう街の諸行無常に残された優しい88分でした。
■長島有里枝(写真家)
猫の幸せを最優先に考え、地道な活動をする人たち。答えはない。ときに自分のやりかたに悩みながら、それでも猫に寄り添い続ける。ただ、猫が好きで。保護猫と暮らし始めたばかりのわたしだが、すごくそんな気がする。
■友森玲子(動物愛護団体代表)
人々の孤独と愛を糧に丸々と太った猫たちが韓国最大の団地に暮らしている。将来への不安はないように見えるが、猫知れず進む団地の取り壊し計画。置き去りにされる彼らを助けようとする人々の活動が、猫たちの豊かな表情と共に描かれている。「いままでありがとう」では済まない命の問題。
■斎藤真理子(韓国語翻訳者)
「幸福」について考える(悩む)映画です。
大げさではないんです。
見るとわかります。
韓国語を勉強する人にも良い映画です。
猫に話しかけるときはみんな
優しい言葉を使うから。
■夏目知幸(ミュージシャン/exシャムキャッツ)
愛着というものを、猫は持つのだろうか。人はなぜそれを捨てられるのだろうか。考えさせられた。
ただの「猫引越大作戦」ドキュメンタリーじゃないよと強く言っておきたい。
■中山うり(シンガーソングライター)
彼らにとっての「楽園」が無くなることをどう説明すればいいのか?気にしない人は気にしない、知らない人は知らないまま新しい建物が建ち、時間と共に風化してしまう。そんな中で猫たちをどうにかしようと頭を悩ませる猫ママ達。救うとは?何が正解?終わりがあるのか?猫は何を望む?「猫と話ができればいいのに」という人間の言葉には共感しかない。
12/23(金)〜ユーロスペース、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開